最終更新 2014年1月21日
2拠点のそれぞれホームゲートウェイ下に設置したRTX1200同士で、
データコネクトを利用したリモートセットアップを試した。
その設定などのメモです。
データコネクトサービスを利用するには、ひかり電話の契約が必要です。
( http://flets-w.com/hikaridenwa/service/dataconnect/ )
以下、間違い、誤解、憶測が混じっているかもしれないので、ご注意ください。
■設定前の環境について
○ホームゲートウェイの種類とRTX1200のファームウェアについて
今回使用した装置とファームウェアバージョンは次の通り。
・RTX1200 ファームウェアバージョン Rev.10.01.42
・PR-S300NE ファームウェアバージョン 17.37 (ONU一体型のホームゲートウェイ)
・RT-400NE ファームウェアバージョン 4.37 (ホームゲートウェイ)
(注意)使用するRTX1200は、データコネクトリモートセットアップに対応するファームウェアにバージョンアップを行った。
○拠点のフレッツ光回線に関する契約について
2拠点は、NTT西日本のフレッツ光ネクスト回線を導入し、
ホームゲートウェイ上でひかり電話が利用できる状態になっている。
○ホームゲートウェイとRTX1200のLAN接続について
各拠点のRTX1200はLAN3インターフェイスがホームゲートウェイ(HGW)のLANポートに接続されている。
そしてすでに、このLAN3からHGWをパススルーしてPPPoE接続でインターネットプロバイダ(ISP)に接続され、
PPインターフェイスにIPv4アドレスを割り当てられている。(PPインタフェイスはデータコネクト設定には無関係)
--光ファイバ--【 ONU 】==【 HGW( ひかり電話利用OK )】lan===lan3【 RTX1200 】====(PC)
この物理接続状態を維持したまま、データコネクトでリモートセットアップが利用できるようにする。
■(両拠点において)RTX1200のLAN3インターフェイスに必要な設定を追加した
IPv4のプロバイダ(ISP)にPPPoE接続するPPインターフェイスにおいて、pppoe use lan3 コマンドが設定されている。
LAN3インターフェイスから接続されたホームゲートウェイをPPPoEパススルーしてプロバイダと接続している。
このように、LAN3インターフェイスはすでにホームゲートウェイに物理接続されているので、
これをデータコネクト・リモートセットアップでも使えるようにしたい。
LAN3インターフェイスにさらに必要な設定を加えることで、データコネクトリモート・セットアップが利用できるようになった。
すなわち、LAN3インターフェイスは、PPPoE通信と、IPoE通信で兼用されることになる。
データコネクトを使用したリモートセットアップを利用可能にするにはまず二つのことが必要である。
・RTX1200がSIPサーバに子機として自身を「登録」するために必要な情報を取得すること
・RTX1200が網内からアクセス可能なように、
ホームゲートウェイに接続したLAN3インターフェイスにIPv6グローバルユニキャストアドレスを割り当てること
これらの作業は、RTX1200のDHCPクライアントと、DHCPv6クライアントによって、
自動的にホームゲートウェイから取得され、設定される。 するべきことは、
ホームゲートウェイに接続されたLAN3インターフェイスにDHCPとDHCPv6の両方を設定するだけである。
いずれかの設定だけで良いのではないかと思って試してみたところ、次のようになった。
・DHCPv6だけの設定では、ホームゲートウェイに子機として「登録」できなかった。つまり、ホームゲートウェイにRTX1200を「登録」させるためには、DHCPの設定が必要であり、
・DHCPだけの設定では、ホームゲートウェイにIPバージョン4として子機「登録」できたが、
データコネクト・リモートセットアップには失敗した。
・DHCPとDHCPv6の両方の設定を行うと、
ホームゲートウェイにIPバージョン6として子機「登録」でき、リモートアクセスに成功した。
データコネクト・リモートセットアップ通信には、DHCPv6の設定が必要だった。
結局、ホームゲートウェイ下のRTX1200同士でデータコネクト・リモートセットアップを行うには、
ホームゲートウェイに接続されたLAN3にDHCPとDHCPv6の両方の設定が必要だということになる。
ところで、今回の環境では、
ホームゲートウェイはデフォルトで192.168.1.0/24ネットワークに属していて、
DHCPによってLAN3インターフェイスには192.168.1.2/24を割り当てられた。
RTX1200の他のLANインターフェイスとネットワークアドレスが重ならないように注意する。
○ホームゲートウェイに対しSIP接続するための基本設定
# ngn type lan3 ntt
# sip use on
○DHCPでアドレスや必要な情報を取得するための設定
# ip lan3 secondary address dhcp →LAN3のIPv4セカンダリアドレスなどをDHCPで取得
# ipv6 lan3 address dhcp →LAN3でIPv6プリフィックスなどをDHCPv6で取得する
# ipv6 lan3 dhcp service client →DHCPv6のためのクライアントサービスを起動
○保存と再起動を行った
# save ←設定を保存
# restart ←RTX1200を再起動した
■(両拠点において)接続状態の確認をおこなった
以上の設定のあと、再起動後に、DHCPのステータスを表示させた。
1、まず、IPv4のDHCPステータスを表示させた。
# show status dhcpc
インタフェース: LAN3 secondary
IP アドレス: 192.168.1.2/24 ←LAN3のセカンダリアドレスとして取得したもの
DHCP サーバ: 192.168.1.1 ←ホームゲートウェイがDHCPサーバになっている
リース残時間: 3時間 21分 18秒
(タイプ) クライアントID: (01) 00 a0 * * * * * * *
SIP サーバ[1]: 192.168.1.1 ←ホームゲートウェイがSIPサーバになっている
ベンダー情報: 210
MAC アドレス: 00:a0:*:*:*:*
契約電話番号: 3 ←ホームゲートウェイの内線番号(1番、2番はアナログポート)
SIP ドメイン名: ntt-west.ne.jp
HGW 管理サーバ:
共通情報
DNS サーバ: 192.168.1.1
デフォルトゲートウェイ: 192.168.1.1
2、次に、DHCPv6のステータスを表示させた。
# show status ipv6 dhcp
DHCPv6 status
LAN3 [client]
state: established
server:
address: ::
preference: 0
prefix: 2001:a5**:****:1***::/52
duration: 14400
T1: 7200
T2: 12600
preferred lifetime: 14400
valid lifetime: 14400
SIP server[1]: 2001:a5**:a0**:****:****:****:****:****
DNS server[1]: 2001:a5**:a0**:****:****:****:****:****
Domain name[1]: flets-west.j*
Domain name[2]: iptvf.j*
SNTP server[1]: 2001:a7**:****::*
SNTP server[2]: 2001:a7**:****::*
Vender Specific Information:
Enterprise Number: 210
MAC Address: 00:a0:*:*:*:*
Tel Number: 3
SIP Domain: ntt-west.ne.jp
DHCPと、DHCPv6クライアントの両方で、それぞれSIPサーバアドレスと、内線番号が取得されていることがわかった。
また、IPv6プリフィックスも取得されていた。
このプリフィックスを受けて、
RTX1200のLAN3インターフェイスには、IPv6グローバルユニキャストアドレスが設定されていた。
# show ipv6 address lan3
LAN3 scope-id 3 [up]
Received: 6195 packets 673480 octets
Transmitted: 229 packets 35580 octets
グローバル 2001:a5**:****:1***:****:****:****:****/52 (lifetime: 12307/1230
7)
リンクローカル fe80::****:****:****:****/64
リンクローカル ff02::1/64
リンクローカル ff02::2/64
リンクローカル ff02::1:****:****/64
3、データコネクトの状態を確認した。
上でDHCPが取得した情報からわかるように、RTX1200はホームゲートウェイに内線番号「3番」で登録される。
○そのため、ホームゲートウェイの内線番号「3番」を空けておく必要がある。
ほかのSIP端末で、内線番号3番が利用・登録されないように設定する。
他のSIP端末が登録されていれば、内線番号3番の設定情報を削除する必要があった。
# show status ngn
NGN status
LAN3
sip:3@ntt-west.ne.jp
起動OK
ここで、起動OKと表示されれば、データコネクトが利用可能だった。
■リモートセットアップを受付ける側の拠点のRTX1200に受付け許可する電話番号を登録した
リモートセットアップの接続を許可する相手先の電話番号を登録する。
(ISDN回線によるリモートセットアップを許可する電話番号の登録リストと共用する。)
# remote setup accept 0*****1234 0*****6789/ABCD
上の設定例では、0*****1234(データコネクト) と、0*****6789/ABCD(ISDN) という電話番号からの接続を許可している。
■データコネクトを利用したリモートセットアップを試した
○TELNETコマンド を使用するので、利用できるように設定した。
# security class 1 on on
☆TELNETコマンドを使って、拠点にデータコネクトで接続しリモートセットアップを試した。
接続先拠点の電話番号(0*****2345)で接続できた。
# telnet 0*****2345
2001:a5**:****:1***:****:****:****:****(2001:a5**:****:1***:****:****:****:****)[0*****1234], Port:23 に接続します。 アボートキーは '^]',0x1d(29) です。
Password: ←接続先拠点のRTX1200のパスワードを入力した
Rev.10.01.42 (Wed Oct 3 13:57:55 2012)
・・・(接続先拠点のRTX1200に接続される)・・・・
接続先拠点にあるRTX1200のLAN3インターフェイスに割り当てられたグローバルIPv6アドレスと、
ポート番号(23番)、そして電話番号が表示されている。
接続先拠点の電話番号から、このIPv6アドレスが検索されているのだと思う。
(注意)
データコネクトでリモートセットアップ接続をしているとき、
拠点に別の音声電話などが着信するとリモートセットアップが自動的に切断された。
ただし追加チャンネルを申し込んでいる場合の挙動はさらに検証する必要がある。
<参考>
・データコネクトリモートセットアップ
< http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/ngn/ngn_remote_setup.html >
2013年2月14日