MATEデスクトップ環境をリモートデスクトップとして使う場合、
スクリーンロックなどいくつかの機能が動作しないようにしておいた方が良いことがある。
MATEデスクトップ環境は次の手順でDockerコンテナにインストールしたものを使用している。
以下では、いくつかの機能をロックダウンするための手順について記載する。
機能のロックダウンには次のコマンドによって起動するGUIのエディタを利用した。
■MATEデスクトップの設定用エディタの起動方法
MATEデスクトップターミナルから次のコマンドを実行した。
すると、下の写真のようにエディタが起動した。
[user01@580dd7fd3e61 /]$ dconf-editor
■エディタの使い方
フォルダアイコンが5つ並んでいる。MATEを設定するためのキーが分類されている。
基本的には、フォルダを辿っていって設定すべきキーの値をマウスクリックでON/OFFすることによって設定値が即座に変更される。
■設定値の見つけ方
実際に、スイッチを切り替えてみて、挙動を確認しながら見つけていく。
他にも、アプリケーション、場所メニューを非表示する設定値があった。
■以下では、MATEデスクトップ機能のいくつかのロックダウンを行ってみた。
◯デスクトップ上部にあるシステムメニューから「画面のロック」「ログアウト」項目を非表示にした。
デフォルトのシステムメニューは次のように表示されていた。
それぞれ、次のキーの値を変更することで即座にメニューに反映された。
・「画面のロック」項目の非表示
/org/mate/desktop/lockdown/disable-lock-screen
false ⇒ true
・「ログアウト」項目を非表示
/org/mate/desktop/lockdown/disable-log-out
false ⇒ true
それぞれの設定の結果、次のようになった。
◯画面の自動ロックを禁止する
MATEデスクトップにアクセスせずに放置していると、デフォルトではタイムアウトとなり自動的に画面にロックがかかった。
次のキーをfalseに設定することによって自動画面ロックをオフにできた。
/org/mate/screensaver/lock-enabled
true ⇒ false
◯パネルの編集を無効化
設定変更前には、パネル(上部のバー部分)の右クリックで、
次の写真のように、パネル操作の項目がメニューに表示される。
次のように設定値を変更した。
/org/mate/panel/general/locked-down
false ⇒ true
すると、次の写真のようにパネル変更の項目がメニューから削除された。
◯システムメニューの非表示
デフォルトでは、システムメニューがある。
次の設定値をfalseに設定した。
/org/mate/panel/menubar/show-desktop
true ⇒ false
システムメニューが表示されなくなった。
◯上部パネルを隠すボタンを表示する
/org/mate/panel/toplevels/top/enable-buttons
false ⇒ true
次のように非表示ボタンが上部パネルの左右に現れた。
表示された非表示ボタンを押すと上部パネルが消えた。
◯iBUSアイコンを隠す
設定変更前には、次の写真のように「あ」という表示がある。
これを右クリックすることによって、入力メソッドについて設定が変更できる状態になっている。
設定値を次のように変更した。
/desktop/ibus/panel/show-icon-on-systray
true ⇒ false
◯プリンターを使わせない設定キーもあった。
/org/mate/desktop/lockdown/disable-printing
false
◯プロキシを設定するキーのあるフォルダもあった。
/system/proxy/
<おまけ>
・メインメニュー項目などの編集は、MATEの場合、alacarteコマンドではなく、mozoコマンドを使う。
・alt+F2でコマンド入力ウインドウが開くので、必要なGUIを起動可能。
・ターミナル:mate-terminal
・自動起動設定(スタートアッププログラム設定):mate-session-properties